小学校における並行世界/小川 葉
息子が小二に進級するにおいて、ひとつ注意したのだが、あれはたしか私が小三になった頃、うっかり二年生の教室に、休み時間、思いっきり助走して(注目を集めたかったのだろう)その教室に、豪快にすべりこみしたことがある。無論みな唖然とし、やがて下級生全員に笑われて、あれは恥ずかしかった。
息子の二年生の教室も、一年生とは違い、二階になると聞いて、ますます心配になり、気をつけなさいと、まじめにアドバイスしたのだが、じつはと息子。すでに休み時間、まちがえて隣の二組に入ったことがあるのだと告げた。そうしてあたりを見まわして、はじめて様子が違うことに気がついたそうである。
その不思議な感じ、
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