幕間のひと/恋月 ぴの
期待してしまうから
疑うのか
それとも明日の訪れを信じられなくて
疑ってしまうのか
その何れでもあるんだろうけど
※
今年の冬はことのほか寒かったはずなのに
疑い知らずな桜の蕾はぽっくりしてた
いいかげん出番だぞ
だれかが背中を押したから
けつまづきながらも春は訪れてくれて
※
わたしだったらどうしよう
引きこもったままは
心地よいから
もうちょっとと目覚まし時計を遅らせて
お勝手で大忙しなお母さんを困らせてみたい
※
運命とかで片付けてみるのもよし
あるがままはあるがまま
拗ねた思いまでもお見通しなんだからと
舞台裏の片すみで
手のひらに書いた「人」って言う字を飲み込んだ
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