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番田
僕は何も知ることもなく
生きた
それは なぜだろう
白い街が見えた
わからないけれど それは 遠くに見えた
いつも 見えない
見えないから 見えないものであるから
遠くには いつも
僕の生きた過去の遠い記憶だけがある
風が吹いていた
誰かが笑った
街の中は 寒すぎるのだろう
コートの襟を立たせながら
息を潜めて 僕は 歩いた
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