遅れる時計/ただのみきや
 
ニングされて
子どもたちの明るい声が響くようになる
また どこかの家族が年輪を刻んで行く

風が埃を巻き上げると
さっきの少女たちの笑い声が転がってきた

  
                 五年後なんて遠い未来のはなし
                       この景色の向こう
                 まだ見たこともない世界にまで
                        今は続いている

時の流れは早くもなければ遅くもない
人という時計だけが
だんだんと ゆっくりとなって
遅れてゆくのだろう

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