ノート(坂道)/木立 悟
 



枯れ川の午後の足跡に
さまざまな音がたどり着く
水と柱が
つけるしるし


小さな胸の路地に立ち
昼と午後を見つづけて
波は空穂に
窓と器を失くしてゆく


風も震えも
区別なく来る
冬を置いては泳ぎ去る魚
すべての坂は 打楽器だという


窓に夜が映らない街
星の数ほど鈴は落ちて
とどかない まだとどかない
まぶしさに耳をふさいでゆく























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