ノート(坂道)/
木立 悟
枯れ川の午後の足跡に
さまざまな音がたどり着く
水と柱が
つけるしるし
小さな胸の路地に立ち
昼と午後を見つづけて
波は空穂に
窓と器を失くしてゆく
風も震えも
区別なく来る
冬を置いては泳ぎ去る魚
すべての坂は 打楽器だという
窓に夜が映らない街
星の数ほど鈴は落ちて
とどかない まだとどかない
まぶしさに耳をふさいでゆく
[グループ]
戻る
編
削
Point
(1)