普く華/朝焼彩茜色
 
打たれた杭も

ただの力不足だった

棘のないバラのような乙女は

ファンデーションの色を変え

肌に普通に合わせてゆく ふつうの色に


少しばかり上げた口角は

杭を打った人々への

リべンジの一切ない 強かな艶だった

 棘は居場所を失い

 雨にまぎれて この世を去った

 ほほをバラ色にぼかした乙女は

 ひたすら 喧嘩のない 華々々華を

 集わせた
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