mooring snow/hhhma
 
腐敗するモノの向こう側に
生命を見出したくて

窓際にずっと
リンゴを置いていた彼は

リンゴの腐敗と
それを肥しにして、生まれる
蛆虫を見て、それから、悔しそうに、死んだ

僕はそれを
どこか しらない土地に降り積もる
只降り積もる 雪のような

どこか しらない土地に湧いた
小さな泉に広がる 波紋のような

そういった
静かな微笑のように、感じたのだった

そういった
駆け出したくなるような衝動のように、感じたのだった

空というものは とても遠い

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