冬嵐/
有邑空玖
閉ざされた窓の外は氷点下の青空
冬には
見えないものも見えるものも等しく正しい
さよならも云えないままに消えてしまった夏は
凡てが微熱に喘いでいた
空
向日葵
海
神様
吐く息の白さ
霜柱を踏み潰す音
耳が痛くなる冷たい風
埃のような雪
冬に咲く小さな薔薇
そのどれもを鮮やかに飲み込んで
眠りに就く冬
強い風が吹いて
閉ざされた窓の外は氷点下の青空
透明な祈り
凍えないための
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