エースコック/TAT
 
母親はいつも日曜日の朝には目玉焼きを焼いてくれた

コールスローの刻みキャベツに

マヨネーズと正油が混じった

しあわせなあさげ
主食はだいたいヤマザキのダブルソフトだった
お気に入りのユーミンを

赤いダブルラジカセでかけながら

ブルージーンズを穿いて

『今日はお母さん学童保育に迎えに行けへんかもしれへんからその時は高橋君のお母さんのシビックやでタツヤ!』と若いシングルマザーのケツを昭和の終わりに振っていた

だから未だに目玉焼きには絶対に正油と

マヨネーズだ

目玉焼きにソースをかけるような蛮人と分かりあえる気が到底しない

斎藤くんやだいだ
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