雌豚/プテラノドン
彼女は父親の浮気を知ると
ホテルの駐車場での捜索を始め
理不尽に僕は運転させられた。
彼女はサイドミラーをへし折るとか
ライトを叩き割るとか物騒なことに関心はなく
自分の名前を書いた紙きれを、バンのワイパーに
はさみこめさえすれば気が済んだ。それか自転車の荷台で
空き缶が吸殻でいっぱいになる前に
共通の話題を探せれば。ついに一度も、現場を
見つけることはできなかったが
二人で中に入ることもなかった。
過ちを犯すくらいなら、ハナから出会わなければよかった。
それから幾度となく過ちを繰り返し
語ることよりも触れることで、多くの兆候を
計ることを覚えた。誇りと幼さが同居してい
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)