今は家族で一人だけ/ただのみきや
を図鑑で調べようよ」
「ムシ 好きじゃないから 」
「小さいころは好きだっただろう」
「もともと好きじゃなかった 父さんに合わせていただけ」
そう こんな寂しい言葉を聞かされる
「虫好き」は孤独なのだ
天国の次男は虫好きだった はず
この気持ちを分かってくれるだろう
きっとそこには 珍しくて
とっても綺麗で 不思議な虫や花や動物たちがいっぱい住んでいて
君はそっちの友達や天使たちと野山を駆け回っているのだろうな
虫は不思議な存在だ
何も学ばずに
もって生まれた賜物として
人間が遥かに及ばない不思議な能力を秘めている
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