花屋/はるな
 

たばこの燃え尽きるかたちがきれいだったから、このひとのことを好きになってもいいかしらと思った。なるたけ注意深く、愛するものを選んで、だけど、とめられない。どんなに決めていても、かならず、(すぐに)、みるみるうちに柵を超えてしまう。夜明けとおんなじようなスピードだね。

あばずれとか、人でなしとか言われて、やっぱり人並みにかなしかった。だからそのぶん図太く、やさしくなってやろうと思った。花をそだてるになりたかったけど、できないから、いつも、花屋のまえに立っている。花がたくさん、咲いていると幸福な気持ちになった。



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