セザンヌについてのいくつか/番田 
 

死んだのだということだけが確かだった。自分のことなど理解できない。それは、寂しかった。だけどそれは、確かなのだろう。簡単なことなのかもしれなかった。何故なのだろうと思う。自分のことがよくわからないからだ。確かな感覚を追いかけるということだけが、詩人にとっての自由なのかも知れない。そんなことなどどうでも良いーー。逃げることだけが、頭の中には浮かんだ。アップルが台頭を続けられるのも時間の問題だ。何かを期待し続ける意思を持ち続けると言うことだけが育まれているようにも思える。ーー他とは戦わないと言うことだけが。僕は、色々なものを失っていくのだと思う。何も人間同士の関わりが生み出す物などないだろう。それはなぜだろう。いつの時代も衝動だけがそれ自体を破壊してきたのだ。それは芸術が意味を持たないということとよく似ている。


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