Fish & Chips(時代少年)/恋月 ぴの
 
こと切れる最期の瞬間まで
彼はひとりの少年だった

とっつきにくさは彼の持ち味だったし
時代を憂いても
希望を捨て去ることはなかった




そんな彼との接点
あったのかな
と思うぐらいに希薄なのは確かなことで

例えばテロリストの肖像画を自室の壁に飾ったのは
あくまでもインテリアのひとつだったし

それをネタに友人たちを自室に招いたりはしなかった

そんなんだから
彼が何者なのか
彼が何を語っているのかなんて自分には興味なかった




あれは熱病だったのか
それともある種の方便だったのか

右手に鉾
そして左手には盾

語れる
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