冷たい指先/暖かい缶珈琲/
kauzak
こんなに気温が下がった日は
手袋をしていても指先
かじかんでいる
足早に歩いていく
肩を丸めて
我が家まで
あと半分のところ
自動販売機の光がポッと点っている
コインを投入
ボタンを押しさえすれば
無機質に無表情に缶珈琲が供給される
手袋を外す
温もりがじかに伝わる
プルタブを開ける口を付ける
暖かな珈琲の香りを味わいながら
歩きだす
冷たい指先と暖かい缶珈琲は
接触した瞬間に中和されて
それでも温もりが残る
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