愚者の庭/
木立 悟
は倒れつづける
撓りと震え
夜の窓に添う夜の窓
捨てられた花が塔になり
祈るものの手はひびわれて
鐘の音が生む水紋に
穂の水紋をこぼしゆく
曇は低く報いを運び
痛みは熱く やがて冷える
誰もいない庭のなか
煙のようにくりかえす
花は降るが名は降らず
名づけず 名をひもとかず
花も 花でないものも
ただそのままに降りつもる
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