春のひかり/吉岡ペペロ
 
痛みに耐えて目を閉じている

今日で臥して四日目になる

病室にはひかりがしみている

トイレに行くのも辛いから

あまり食事もとらないでいる


ひかりのなかにいる

風が窓に声をたてている

愛したひとの香りがした

ちんちんを撫でてみる

すこしだけ血液がしみてゆく

廊下になんにも気配がない

白い壁を見つめながら

そっと布団に手をやった

ひんやりとしている

このまま死ぬには不合格が多すぎた

どれだけ惨めになろうとも

愛したひとを忘れないでいよう

それでもこのひかりを

壊さないでいられるのか

しずかに試験を受けていよう


痛みに耐えて目を閉じている

今日で臥して四日目になる

病室にはひかりがしみている

トイレに行くのも辛いから

あまり食事もとらないでいる








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