ミッドナイト・プラス……?/ホロウ・シカエルボク
 





荒ぶる風が窓の外の去年の枯葉を叩き、時化の音がする午前だ、一度眠ったものの起き出して、雛のような言葉を吐き出してしまう必要を感じた、ほんのつい数分前のことだ―こんな夜にはもう絶対に、おいそれと眠らせてはもらえない、こんな夜は今までに数え切れないくらいあった―俺がこれを書き始めると、なにか様子をうかがっているみたいに風の音が止まる、何故だ?一瞬で世界を駆け抜けることが出来るものたちなのに…少しの寒さがあり、少しの暑さがある、そのせいで上手く眠れなかったのかもしれない、あるいはもっと他に理由があるのかもしれない、だけどそんなもの突き詰めてみたところで何の意味もないんじゃないか―ああ
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