ぽつねん/faik
たとえリリカルに謳おうと、
あえてシニカルに謳おうと、
半ばやけくそな起承転結で、
ファンタジックに謳おうと、
結局、想いはハラスメント。
なにかをコトバにする度に、
ぼくは誰かを傷付けている。
それが無性に寂しかったり、
煩わしく思えてしまったり、
なんとかしたいと驕ったり、
どうにもならんと悟ったり、
する度ぼくは文を書くのが、
空しくも思えてきてしまい、
馬鹿馬鹿しくも割と本気で、
皆が平和になる文はないか、
とかいうありえない極論と、
不毛な戦いを起こすのです。
勿論答えが出る筈もなく、
とどのつまりは自己嫌悪、
あるいは自暴自棄になり、
鬱積しだした罵詈雑言を、
念仏のように唱え続けて、
そのうち、
来るべくしてやってきた睡魔に飲まれ、
まるで何事もなかったかのように、
ぼくは。
気付けば、いつも、
ぽつねん と、
暖かな朝日に、身を委ねているのです。
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