神経渋滞/竜門勇気
 
動けない夜が来た

朝が光ってる

光と光と光の間に黒と黒

ストロボ

とてつもなく重たいフライホイールが
軽やかに回ってる

気分の悪い部分
頭のなかの部分

動けない

動けない夜が来た

頭巾をかぶって

顔を隠したままで
コップに不安を汲み上げて

僕の足から頭の先まで
静かな洗礼を続ける

朝がまぶたのまわりでうるさい

形のない形

圧力だけで出来た中身のない絶望は
僕の世界を飲み込んで完全になろうとしている

動けない夜が来た

勇者はいない

救世主は今回はいない

動けない

動いても動いても

無意味な未来しか見えない
戻る   Point(0)