希望/吉岡ペペロ
 
いだった

父も嫌いだった

それが間違った考え方であることも

たぶん最初からわかっていた

ただひとつ

その感情だけが自由だった

母のともだちと話し合うことができた

こんな底の底にいるのだ

そう思わなければ負けそうな気がした

話し合いながら

私ははじめて母のことを

今までとは違うべつの感情で思い浮かべていた

こんな底の底にいることが

私の自尊心みたいなものに

どうしてなんだろう、希望を与えていた





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