意義のある人生のために/小川 葉
昨年わたしが二十年ぶりに、故郷の秋田に帰ってきて感じた印象は、飲食店の接客も、人々の仕事への接し方も、いい意味で「いい加減」なのである。ちゃんと暮らしを成り立たせるための時間を守りながら働いている。
秋田の人に、わたしがどんなにこれまで、都会で日々徹夜続きだったんだと言ったって、おそらく遅くても夜12時くらいの日が二三日続いたくらいにしか信じてくれないだろう。まったく秋田の夜は暗くて、ほんとうに夜なのだから。
しかしわたしは正真正銘、まるまる三日間、一睡もせず動き続けた日々が、毎年恒例のように数回あって、それ以外の日も午前2時3時があたりまえだった。嘘偽りなくこれは本当のこ
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