病気がちのムリー/ピッピ
吐瀉物の味をかすかに覚えたら
ムリーは死へと歩き出す
カッターで血を見るなんて
ナンセンスなことしないから
いつだって悪者になりたくて
いつだって世界を救いたくて
ムリーの黒目がちぢこもる
朝が来るのがこわいから
ムリーは一人で生きていく
言葉はまっぴらやくたたず
ムリーとかかわる人なんて
みんな幸せになればいい
すべては壁のむこうがわ
すべては壁のむこうがわ
我慢してまで生きたくない
我慢してまで死にたくない
デッド・ラインを歩いてる
自覚がないの分かってる
誰から見ても明らかで
誰から見ても他人事で
一回きりなの知ってても
ムリーの人生使い捨て
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