ずっと待ち合わせ/あおば
を語るようになって以来、語気も強く、自在に抑揚も付けられるようになり
役者崩れだと云うと誰もが信じるようになった
現役の役者さんと異なり、目付きが濁っているが、正視する相手は居らず、
声だけで判断されるのでまだその嘘がばれたことはない
すっと背筋を伸ばし、待ち合わせの人生ですと悟ったように語り出すと相づちを打つから、
淡々と相手の気に入る物語を縷々述べることにしているので
果たして、ありのままの人生をありのままに語るのが妥当かどうかは判断できない。
「poenique」の「即興ゴルコンダ」投稿作 タイトルは、カンノユウヤさん
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