ストロボ/
まーつん
くびを一つ ふわともらして
裸足で 床に着地する
夜の風に磨き上げられた大理石が
鏡のように 凪の日の泉のように
君の姿を映しだす 生まれ変わった人間の姿を
朝もやの向こうで 物憂げに身じろぎする 鉄道の呻き
ベランダの手すりに舞い降りる 一羽の鳩の羽ばたき
窓越しに 君の足元へと打ち寄せてくる 教会の鐘の音
それは春の訪れ
綿雲の枕と 寝返りをうつ太陽
うららかな 雑草のまどろみ
それは 春の訪れ
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