積むひと/恋月 ぴの
 
子供




せっかく積み上げた積木を崩される

それも人生

生きている限り諦めることなど許されないから

どんなに愚痴をこぼそうとも
再びと積み上げる

積み上げた積木の頂点には古びた三角錐を乗せて

ぐらっと傾いた
その刹那

あわてて押さえた積木の揺れは
生きてる証であるのだから

何かを握って離さない幼い掌の力強さに気づかされる




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