一夜明けて/
吉岡ペペロ
昼には新幹線のなかにいた
各駅停車の新幹線だった
固くて煙草くさい客室だった
掲示板に流れるニュースを見つめていた
一夜明けても
首相から被災地へのメッセージはなかった
あったのは
原発の視察を行ったということだけだった
それが緊急性を伝えていた
がらんとした客室から
友人や親戚に電話で避難を呼びかけた
各駅停車の新幹線だった
固くて煙草くさい客室だった
掲示板が爆発を告げていた
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