ペイバック/ペイパーバック/
高原漣
太陽にあざわらわれながら
街をゆく私。
散逸した書物を
一枚いちまいあつめて
一冊の本に綴じるのが
おれの人生だと
わかっているのだが、
認めたくなくて
僕になれないおれ。
を、見ている私
の足元まで 黒い波が洗う。
太陽は月と一緒になって私を照らす。
やさしくて あたたかくて
また、おれたちをバカにする。
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