ペイバック/ペイパーバック/高原漣
 
太陽にあざわらわれながら

街をゆく私。

散逸した書物を

一枚いちまいあつめて

一冊の本に綴じるのが

おれの人生だと

わかっているのだが、

認めたくなくて

僕になれないおれ。

を、見ている私

の足元まで  黒い波が洗う。

太陽は月と一緒になって私を照らす。

やさしくて  あたたかくて

また、おれたちをバカにする。
戻る   Point(1)