春の海で眠りたい/AquArium
1.
重力に逆らっていった言葉の
行く先はどこで
わたしの視線の廃棄場所が
どこにあるのか
なんて誰も教えてくれない
どうしてあの時、
という無意味な問いをできるほど
わたしは強くも、弱くも、ない
揉み消した吸殻が溜まっていく
その中にホンモノは何一つないんだ
降り出した雨粒
歩幅の合わない道は狭く
紫色の傘が啼いていた
遠く後ろに正反対の2人
君たちが微笑んでいたことを背中は知る
(ただただ
美化された記憶が憎い
裏側を読み解く手足が
わたしにはなかった、
その愚かさが歯がゆい)
2.
行きに付いていたつま先はない
帰り道に石
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