無様/まーつん
 
俺はストーカーよろしく
君にまとわりついているけど
全く振り向いてくれないんだな

言葉のメッキを塗りたくった
俺の虚像の裏側を
君はとっくに見抜いているんだろう
頭がいいからな

畜生
頭のいい女なんて嫌いだ
君に出会わなきゃよかった
俺はまるで馬鹿みたいだ
マッチ棒みたいな身体を
洒落たスーツで飾り立て
足を生やした案山子みたいに
ギクシャクと君の側をうろつきまわっては
一生懸命 気になんてしてない振りをしている

君は頭のいい女
建前で着飾った物事の本質を
CTスキャンみたいな視線で裸にする
君が口にする言葉の辛い滴はまるで
火の様に鼓膜の奥を熱くさせる
音のブランデーみたいだ

畜生
どうして俺のものになってくれないんだ?
その冷やかに見下してくる眼差しを
一度でいいから和ませてみたい
君の身体をまさぐって
隅々までこの舌で味わってみたい

ああ生きていくって なんて無様(ぶざま)なんだ

この俺を見てみろ

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