憂鬱録より “火”/kaz.
い、膚が張り裂けるような強い爽快感を与える。女の喘ぎは、あまりに
も静かだ。けれども快楽の絶頂期において、やはり尿をちろちろと腿に這わせるのだった。
私はそれらをうまく紙コップに掬い上げて、媚薬を滴下し、程よく揺らして混ぜ、二人に
飲ませる。むせ返りながらも、なんとか飲み込む。最後に私もその残りを飲む。焼け付く
ような熱さが喉、食道、胃に浸透し、今にも破裂してしまいそうな激しさで血は踊った。
私は消火器を手に取り、弱々しい抵抗を続ける女たちの股間に向けて、発射した。悲鳴。
寂しすぎるほどに聞こえない。爆発の衝撃が陰部を貫いた。高濃度に圧縮された気体が、
一人、一人、と確実に消火していった。火は消えた。
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