ありがとう。/雪路
 
君という粒子から ひとつまみ

ドラム缶の焚火に 入れるよ

緑色の炎が 一瞬だけ光った

「私のことを見届けて」

その声が 乾いた空に響いた

僕は 封筒の中の君を

なみなみと 炎についでいったさ

嘘のような 緑の銀河 

確かに見えたよ ありがとう

セーターの袖の 涙と鼻水が

その閃光を 覚えていてくれるだろう
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