息をとめて/渡邉建志
 
胸ばかりがひとり高まっていく。僕はこの場所で
何かを成したのだろうか?(いや、僕は定められた時間を
ここに生きることで、何かをたしかに、成したのだ。)
しかし、この場所を去って次はどこで僕は安らげるというのか?
時間が少しずつ迫っていた。

時間がきた。
僕は人々に頭を下げ、
ゆっくりと、細胞膜から押し出されはじめた。







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