息をとめて/
渡邉建志
胸ばかりがひとり高まっていく。僕はこの場所で
何かを成したのだろうか?(いや、僕は定められた時間を
ここに生きることで、何かをたしかに、成したのだ。)
しかし、この場所を去って次はどこで僕は安らげるというのか?
時間が少しずつ迫っていた。
時間がきた。
僕は人々に頭を下げ、
ゆっくりと、細胞膜から押し出されはじめた。
こんにちは
ここから先は
真空です
戻る
編
削
Point
(10)