ええ声/八男(はちおとこ)
 
ええ声は 微炭酸

ええ声は 不如帰 

出れば ハスキー 御好きに だすきんかける世に


きれいな廊下に ええ声は 高く 廊下を這い渡る

住所不明のええ声は 海を渡った ターザンが

あああ と言った 紀元前


行方知れずのUFОと 接吻交わした あの日から

ええ声飛んで 土星まで


土星は嚥下し 怒声を発し

アホー!の一声  初のええ声 


抜けりゃ怒声も一人前よ

半人前の寿司よりも 立派に酢飯らしくなる


ええ声よ  世界は  それに頼りっぱなし

ええ声よ  それだけで 世界は おさまりっぱなし



竹がうなだれ 柳は仰臥 

松は下向き 桶は転がりを緩ませる



ええ声よ  おまえは歌う

どこまでも  十字架を忘れて

ギターを捨てて  墓場まで  愛人を連れて 


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