日曜日のざわめき/番田
失うことだけが、いつもはっきりとしていた。しかし、この街の中はとても寂しかった。絶えることのない労働者によって生み出された流れの中で、僕はどこに行くのだろう。何も、真実であることとして、そこには、何も見えなかった。自分が失業者であることだけが、身分として、重くのしかかっている。街の中には、誰一人として、僕の前で微笑もうとする人もいない。あたかも、無数の価値観が、その存在意義を失っていくようだった。定番としてそこに並べられた商品たちが、今日も僕の心を捉えていた。僕は、取り留めもなく無印良品に並べられた商品のパッケージを眺めては、サンマルクカフェで安いコーヒーを飲まされて帰ってくる人間たちの流れに混じっていた。
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