時間ドミノ/ただのみきや
あと 一つ
それで完成
そう思った瞬間
倒してしまった!
しゃっくりみたいな声を一つ漏らして
あとは動けない からだがこわばって
ドミノは時間を遡り
駿馬のように駈け上る
二股に分かれ また一つになり
山を登って また降りて
ドミノは心地よく軽快なビートを刻み続ける
一つのドミノは 一時間か 一日か
ああ 先が見えなくて不安だったあの頃も
結果から見て行くのなら何てことはない
当たり前につじつまが合う
懐かしさに目をそらせない
ああ 新婚の頃はそうだった
そう なんの迷いもなく友達とはしゃいでいた時代
高校 中学 そういえばそんなこともあっ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(16)