正座する涙に/草野大悟
 
大粒の涙が
ちんまりと正座して
嗚咽をこらえ
ぽろぽろぽろぽろ
反省している

それを見ていると
ついつい
ついつい
よかよ
もう、よかよ と
ぼろぼろになって
頭をなででしまう

言われた涙は
解き放たれたように
うえ〜んうえ〜ん
虹色の雪を降らす

ぼくらの初冬は
こうして幕を開けた
 

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