蟻殺しのアリエッティー/和田カマリ
、彼女のいない夜などは、新婚男子の身としては、やはり、とても辛いので御座います。
「どなたか、よろしければ、熟女で妊婦のAVDを一晩なりとも、御貸しして下さいませんでしょうか。」
「ゲヒー」
何時になく、弱々しい声が聞こえてきました。彼女が帰ってきたようです。今の話(AVDの件)はお忘れ下さい。
おお、何と言う事でしょう、彼女は全身血まみれではありませんか。さらには、手のひらで押さえている首筋から、ドピュドピュと今も止まらずに、赤い潮が溢れているのです。妖精さん、妖精さん、しっかり、しっかりして下さい。契って間もない、こんなにも早く、男やもめになるなど、僕は嫌で御座いますよ。
「妖精さん、妖精さん。」
彼女は白目をむき始めました。するとだんだん、身体全体が透明になって見えなくなってきたのでした。やっと結婚できたのに、もうお別れなのですか。
「嫌だ、嫌だ、しっかりしてぇぃ。あなたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ。」
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