明るい未来/yamadahifumi
ら死んだ方がマシだから」
その若い科学者のその真剣な話しぶりはここのところずっと、人類に見られないものだったので、有識者会議の面々はびっくりして、そしてみんなはすぐに苦笑した。彼の提案は即座に彼以外の全員の一致で否決され、そして彼は「処分」される事となった。そして彼は処分された。
・・・・・・・それからすごく長い時が経ち、その科学者の言うところは本当となった。時がたつにつれて「処分者」の量は増え、それはとうとう人類の三分の一にまで達したのだった。そして改めて、このシステムに対する再検討がはかられた。それは第百二十一回(途中、長い中断機関を経て)の人類有識者会議での事であった。そして、その再検討が真剣にはかられる途上で、その古い昔に、そうした事を主張していた若い科学者が以前にいたことが、昔の議事録から発掘され、彼は長い時を経て、その名誉を回復されたのだった。
さて、人類の未来は明るい。
戻る 編 削 Point(0)