誰か背中を押してくれ / 冷たい交差点/beebee
 
な笑いに
僕はいつも夢中になった
いったいどういう意味があったのかい
あの不思議な笑いには

いまは寂しい雨風の中で独り立っている交差点

見上げれば君は向こう側にいて
信号待ちをしているはず
見えない姿を追いながら僕は
静かに渡り始める

跳ねをを上げて走り去る自動車たち
親子連れの二つの傘が揺れながらダンスを踊る

通り過ぎる世界に
もう君はいないんだ
どうか僕の背中を押してくれ
この道を渡りきるまで
冷たい雨風よ
僕を濡らせばいい
冷たく濡らせばいいんだ



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