祝福/瀬崎 虎彦
 
展望台から視線をはるかかなたへ飛ばすと
白の最中に消失して
雪が海に吸い込まれていく様子を
しかたなく眺めている

流麗な発音でワインをたのんだあとに
つめたいテーブルのうえに冷たい手のひらをおいて
先生はいままでのことを話し
わたしたちのこれからの話しをした

わたしたちの旅は終わりがないので
もうそろそろ自分たちで終わりを見つける
結末が悲しいものであることははじめから知っていた

ただクリスタルガラスにワインが満ちるまでは
あたかも偽者の恋人であるかのように
軋んで崩れるわたしたちの関係に祝福を送りたい
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