祝福/瀬崎 虎彦
展望台から視線をはるかかなたへ飛ばすと
白の最中に消失して
雪が海に吸い込まれていく様子を
しかたなく眺めている
流麗な発音でワインをたのんだあとに
つめたいテーブルのうえに冷たい手のひらをおいて
先生はいままでのことを話し
わたしたちのこれからの話しをした
わたしたちの旅は終わりがないので
もうそろそろ自分たちで終わりを見つける
結末が悲しいものであることははじめから知っていた
ただクリスタルガラスにワインが満ちるまでは
あたかも偽者の恋人であるかのように
軋んで崩れるわたしたちの関係に祝福を送りたい
戻る 編 削 Point(2)