鬱病患者のブランコ/雅寛
 
しい音を立てたブランコが、
君の顔をもっと寂しくさせてしまった。

ずっと君と居たい。
その言葉を言いたくて。
でも、それは言えない夢。
だから、遠回しなサヨナラだけ言いに来たんだ。
君が僕に思っていた事、
それが何なのか分からないけど、
もう答えは聞かないでよ。

君と二人でブランコを漕いでる。
僕等偶然生まれてきて、
偶然生まれた世界の中、
薄っぺらい可能性で生きて居るんだから。
このまま世界が終ってしまえばいいのに。
終わりなんて誰も気が付かないから。
この世界に意味なんて無いのだから。
だからこの世界生きてる僕等も、
生きてる意味なんてただの自己満足でしかないから。

生きるのに疲れた僕は、
こうして少し小さいブランコを漕ぎながら、
あの頃の僕は生きていたのかな?
そう思いながら、
死ぬ事ばかり考えているから。
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