汽笛/鈴沖 雄太
 
夢ではない
予兆であったと
ある日少年は気づくだろう

あの列車に乗るべきは
自分であったのだと

枕の下に聞いた
遠い汽笛
その遠さは

距離ではなく
時間であった

未生の言葉として吐き出された
一つの産声だった

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