水底/
伊月りさ
、
たいせつな
死んでしまった骨、
山積される前に順番にならべて
(だれの肋骨でもいいじゃないか)
わたしにしてください、
わたしでなくても動けます、
この町はかたちからはじまるのだから
わたしたちの数だけ
ゆりかごが揺れていれば
どこで眠っても溺れることはなくて
きみは およぐことができて
世界は倍増して、
声は届かなくなって、
すべて 揺らぎ続けて、
少しずつ 終わって
少しずつ はじまっていく
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