仮粧/
四帰
よあけの窓より 行き来するひとびとは
雪よりけわしく
雨よりゆるやかな化粧師
よるの窓のように
反射するではなく
向かい合うでもなく
透明に塗られた、大気のうえを 行き来する
やさしい、やさしい化粧師
逆さに差し込むひかりの束は容赦なく 彼らを射るだろう
うららかな 雪化粧のような
白い花壇のまんなかで
彼は死に化粧を纏い 鏡にほほえみかける
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