道で出逢う/木原東子
 
い人の気配
階段を駆け上っていった
最期の姿
駅の照明の眩い中へ


これもむかし
たまには私も恋人とふたり
無心に道を歩いていた

男が向こうからやってくる
それはわかっていた
彼はぴたりと足を止める
私の恋人の前で

「ぼかあ、ホモなんですが
あなたがとても気に入りました
ただ、なんというか
それを告げたくて
とうもお邪魔しました」

こんなことありえる?
時々あるさ
恋人は妙に体をくねらせた



同じこの道で
17歳の長の子と出逢うはずの
そんな未来と過去の街角

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