道で出逢う/木原東子
 

白く熱い道を
白いカッターシャツの高校生が
自転車でくる
7年ぶりに会った息子、きのうのこと
美しく花開いたのっぽのあの子

その道を今日も彷徨えば
また出逢った有り難さ

足元の影のうえに
溢れそうな涙の玉、玉の汗


子守りにきて、と
末っ子がいうのでてくてく歩く朝まだき

坂道を自転車がおりてくる
なにも思わず見ていると
みるみる彼の顔になった
あ、と嬉しい

顔の下にもひとつ小さな顔が
可愛いノンくんだ
二人乗りで迎えに来たの
橋の向こうから出て来た二つの顔

今日のプレゼント


むかしむかし、少女がありました
恋した
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