ズルイ/AquArium
この宙ぶらりんの、
したたかで弱い僕の情けなさを
知らないあなたは
幸せなのかも知れない
と、またも無重力の世界に身を埋める
どうしてもニコチンから抜け出せないのを
意志が弱いと見下していたのは僕なのに
好きだとか愛してるだとかはもっと
高貴で美しい言葉だと思っていたのに
いま、それらは音を立てて崩れていくね
この宙ぶらりんの、
ずるくてか細い僕の強情さを
知らないあなたは
幸せなのかも知れない
と、またもモルヒネを貪って浮遊する
傷を舐めあっているのか
傷つけあっているのかもわからないのは
好きだから会いたいやら
離れたほうがいいやらわからなくなるのは
たぶん、心も麻痺してしまったんだよね
この宙ぶらりんの僕は、
世界一ずるくて、弱い。
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