遥かなり神々の座*/天野茂典
 
のか
   この卑猥に満ちた街のなかで
   昼下がりの午後
   一瞬私はうとうとしながら
   インドを歩いていたのだった
   モノクロからカラーへ
   女装した私が 聖なるガンジスの汚れた水を
   全身に浴びて ヒンドゥー教の祈りを唱えた
   牛は純白のまま ガンジス河を渡っていった
   昼下がりの午後 私は混濁していた                


           *谷 甲州の小説名
           2004・12・01
戻る   Point(3)