スピーカーズ・コーナー/はだいろ
が聴くような音楽を、
ぼくが聴くような気分のときに、
ぼくが聴きたいようなヴォリュームで聴いていれば、
スピーカーは、
ぼくのこころに寄り添うように、
音のカドを丸くしてゆくのである。
それは、
時間と、こころと、空気が、
作用してゆく魔法である。
理論や、
数値で測ろうとしても、
面白く果てのない不思議ではあるけれど、
きっと答えは出ないだろう。
・・・そうゆう話を、
妻にしたけれど、
こんなに大きなスピーカーは、
倒れたら赤ちゃんに危ないから、
売るか捨てるかしてね、
と言われた。
でも君とぼくだって、
似たようなものなんだぜ、
なんて、よほど、
言いそうになったのだけど。
戻る 編 削 Point(3)